中国著作権ニュース(2017年上期)

目指せ「パクり」撲滅、中国初の映画・ドラマ著作権鑑定委員会が発足

近年、中国で頻発しているのが映画やテレビドラマに対する「パクり」論争だ。盗作だとして訴えを起こされた作品についてインターネット上でオリジナル版との比較・検証が行われるなど、人々の注目を集める話題となっている。
映像作品の著作権保護は非常に複雑で、訴訟を起こすにも時間的・費用的負担が大きいため、権利侵害の多くが放置されている状況だ。こうした状況を打開すべく、このほど北京で、中国初の専門家による映画・テレビドラマの著作権に関する鑑定委員会が発足した。

 

近年中国で起こっている各種の著作権関連事件は、映画・テレビドラマに関わるものが最多である。関連するシナリオの盗作や作品同士の盗作をどのように認定するか、独創性や表現をどのように認定するかなど、事件の審理の難易度が高く判断に時間を費やすことから、裁判官も頭を悩ませている。また、損害賠償額の確定も審理の過程における難題の一つだ。
このたびの鑑定委員会の発足は、こうした背景を踏まえてのものである。2017年3月22日付の済南時報によると、委員会は26名で構成され、うち法律の専門家が14名、シナリオライターや映像監督などの文学・芸術界の専門家が12名。裁判所の委託を受け、著作権に関わる盗作事件の鑑定・照合を行うのが主な責務であり、鑑定結果は裁判所における審判の重要な判断根拠となる。
このような動きを歓迎する声は多く上がっている。特に、小説を翻案してドラマを制作されてしまうケースなどの場合、シナリオや台詞、人物設定を巧みに変えられてしまっては、盗作であるといえるのか裁判官も判断しがたく、専門家の見解が助けとなるからだ。一方、根本的な解決策として、制作会社やテレビ局、また法的手段などを通じた不法行為の阻止が必要であるという見方もある。

 

鑑定委員会の設置は小さな一歩かもしれないが、侵害の判断が難しい著作権分野において大いに機能を発揮する可能性も高い。今後の実務例に注目していきたい。

 

(2017/3/29 日本アイアール A・U)

中国初!GPSランニングアートを著作権登録

日本は目下、空前のランニングブーム。携帯アプリのGPSロガーなどを利用して自分の走った軌跡を記録している人も多い。軌跡をアート作品に見立てるなどという試みも出てきているが、実はその試み、お隣り中国でも盛んである。しかも、その作品が著作物として版権局に登録されたというから驚きである。

 

2017年1月20日付の中華網によると、北京の某女性が朝陽公園をランニングし、薔薇の花の形をした走行ルートの軌跡を作り出した。そして、完成した軌跡を国家版権局に登録し、2016年4月に無事登録証書を取得したとのことである。これはランニングアートを著作物として登録した中国初の例である。

 

この女性がランニング仲間に作品を紹介したところ、大反響。ランニングをより面白くし、ただ走るだけではなくアートにも繋げられるとして、今ではメディアを巻き込んだ関連イベントが開かれるほどとのことである。WeChat上でもこれらの作品をネット投票して賞品を出すといったイベント等が行われている。

 

ちなみに医療業界で専門職に従事するこの女性、知的財産権についても意識が高く、自らが作ったランニングアートが芸術作品として価値があるものとして、すぐに登録を行ったとのこと。なお、同様の活動を行っていたアーティストも、この女性のニュースを聞き、作品の著作権登録を検討しているとのことである。

 

ちなみに著作権は作品を制作した時点で発生するものなので、取得のために審査などを受ける必要はない。ただ、侵害を受けた際等に、誰がいつその作品を制作したかなどの立証が難しいなどの理由から、版権局に登録を行うケースが増えている。
なお中華人民共和国著作権法の定めにより、著作権侵害を行った場合、損害賠償などの民事責任が問われることになる。

 

(2017/1/27 日本アイアール A・U)

中国著作権専門サイトTOPページへ戻る