中国では積極的に著作物の登録を進めています。特に外国の著作物が中国でより保護されるためには著作物登録をして置くことがとても重要であると考えられます。本文では中国著作物の登録方法について簡単に紹介したいと思います。

1.著作物の登録をすると著作権は必ず保護される?

いいえ。中国版権局が定めた「作品の自発的登録の試行方法」(以下「方法」という)の1条によると著作物の登録は確かに著作権者及び著作物使用者の合法権益を保護し、著作権帰属に関する著作権紛争を解決するに有利であります。ただし、条文の後半には著作物の登録は著作権紛争の解決に初めての証拠を提供することであるから完全に争いがなく著作権が確実に有効である保証ではありません。

2.著作物の登録は必須の手続き?

いいえ。著作物の登録は自発的に登録する制度であり、著作物の登録をするか否かを問わず、著作者あるいはその他の著作権者の合法的な著作権には影響されません。

3.登録の手続きは誰がどこで出来るのか?

著作物の登録を申請できる者は著作者、その他著作権を有する者、専有権者(独占ライセンシー)、及びその代理人です。

上記の者は自分の住所、居所、または営業所所在地の省、自治区、直轄市の版権局に登録を申請することができます。共同著作物または著作権者が複数名である場合には登録を受諾された者の住所、居所、営業所所在地を登録管轄基準とします。

外国及び台湾、香港、澳門地区の著作者及び著作権者の著作物は国家版権局に登録を申請することができます。

4.著作物の登録に必要な書類は?

著作物を登録するには、著作者、或いはその他の著作権者は身分証明書を提示し、著作物の権利帰属を証明するものを提供する必要があります。例えば、封面及び著作権ページのコピー、原稿の一部のコピー及び写真、サンプル等です。上記以外に著作物登録表を作成し、登録費を納付すると申請が完了します。

その他の著作権者は著作権者である身分証明を提示する必要があり、専有権者は専有権契約書(ライセンス契約書)を提示する必要があります。

5.登録にはどのくらいの時間がかかる?

申請書類がすべて揃い、申請を行った時から一ケ月以内(30日営業日)で登録可否の結果が出ることが通常です。登録が行われると登録証書に番号が付与されますが、地区番号―年―著作物分類番号―順番の順で付与されます。ちなみに、国家版権局で登録された著作物は地区番号が付与されません。

6.著作物の登録は情報公開されている?

著作物の登録はデータベースにより管理されており、データベース公開されています。ただし、データベースを閲覧するには申請が必要であり、閲覧費がかかります。

以上、中国著作物の登録方法について簡単に紹介をさせて頂きました。本文は「作品の自発的登録の試行方法」をもとに作成されています。

*「作品の自発的登録の試行方法」1994年12月31日国権〔1994〕78号頒布 1995年1月1日から施行(国家版権局の部門規定です。)

(日本アイアール株式会社 F・K)