中国著作権法の改正に伴う創作者の権益保護規定に関する重要な変更点について

2020年11月11日に、中国政府は著作権法の改正に関する決定を採択し、2021年6月1日から施行するとしました。これは著作権法の10年ぶりの重要な改正です。

今回の法改正の記事では、創作者にとって関心が高い、創作者の権益保護に関する規定の重要な変更点の一部をご紹介します。

1.著作権法上の著作物の定義を新たに規定

1つ目は、著作権法上の著作物の定義を新たに規定しました。

改正後の著作権法第3条は、著作物の種類について、「映画著作物及び映画の撮影製作に類する方法により創作された著作物」を「視聴著作物」と規定、「法律、行政法規に規定されるその他の著作物」を「著作物の特徴に合致するその他の知的成果」へとそれぞれ改正しました。今後は、オンラインゲーム、ショートビデオなどもカバーされることになります。

また、現行の著作権法は、著作権法の保護を受けられない対象の類型の一つについて、「時事ニュース」という文言を使用していますが、これは「すべてのニュース報道が、どのような形で表現されても、その内容が時事関連のものである限り、著作権法の保護を受けず、誰でも自由に使用し、伝達できる」という誤解を招きやすいとの懸念があったようです。

このため、改正後の著作権法第5条は、これを「単なる事実情報」へ改正したことで、事実の基本要素に対する簡単な説明的なものだけが著作権法による保護を受けられないのに対し、事実に対する独創性のある表現や叙述がすべて著作権法の保護を受けること、ニュース著作物の盗作や無断使用等の違法性を明確にしました

2.現行の著作権法の共同著作物の行使に関する規定を明確に

2つ目は、現行の著作権法の共同著作物の行使に関する規定を明確にするため、改正後の著作権法第14条の中の「共同著作物の著作権については、各創作者が協議で合意に達した後、行使しなければならない。協議を経て合意できず、また正当な理由がない場合、いずれかの一方は、譲渡、他人への専用使用権に許諾、質権を除いた他の権利行使を阻止してはならない。ただ、その収益はすべての創作者に対し合理的に分配しなければならない」という内容が新設されました。

この改正は、著作物の流通を促進するとともに、著作権者の経済的利益を保障し、著作物の権利を充分に利用することにも役立ちます。

3.撮影著作物の公表権と13種の財産権の保護期間の変更

3つ目は、改正後の著作権法第23条は、写真家が注目してきた撮影著作物の公表権と13種の財産権の保護期間が、これまでの「著作物が最初に公表された日から起算して 50 年を経過した年の 12月 31 日まで」から「作者の生存期間およびその死後50年目の12月31日まで」に変更されました。

4.著作権侵害案件における賠償額を大幅に引上げ

4つ目は、現行の著作権法と比較して、改正後の著作権法第54条は、著作権侵害案件における賠償額を大幅に引上げました。

具体的には、懲罰的損害賠償制度を増設しました。故意に侵害し、状況が深刻な場合、賠償額の1倍以上5倍以下の懲罰的賠償を適用することができます。

また、権利者の実際の損失、権利侵害者の不当利得、使用許諾料の算定が困難な場合、裁判所は権利侵害行為の状況により、500元以上500万元以下の法定賠償を命じることができます。

5.著作権の監督管理官庁に対し著作権侵害案件を差し止める権利も

5つ目は、改正後の著作権法第55条は、著作権の監督管理官庁に対し著作権侵害案件を差し止める権利を付与し、取締りの手法についても定めました。

6.まとめ

上記は著作権法改正後の変化の一部について触れました。今後、中国の知的財産権保護法律の健全化に伴い、著作権等に対する保護レベルも向上しつつあります。

また、著作権登録の費用が安価で登録までの所要時間が短く、著作物登録証明書も証明効力を持つため、創作者に対し、著作物が完成した後、遅滞なく著作権登録手続きを行うこと、もしくは他の方法で著作物の完成・公表の証拠を保存することをお勧めします。